「美容師になろう!中高校生版」スペシャルインタビュー エザキ ヨシタカ氏
「ナリタイ美容師になろう!」の姉妹誌、「美容師になろう!」中高校生版からスペシャルインタビューをお届けします。
「美容師になろう!」中高校生版は、中高校生、その親御様、その先生方に「美容師の仕事とは?」についてご理解を深めて頂き美容師になってくれれば最高!
ならないにしても、美容師という職業を通じて将来の職業に向き合い自立した人生を歩む若者が増える事を目的として創刊しました。
今回は美容業界以外でも多くのメディアから注目されている、株式会社grico、株式会社picture topの代表取締役エザキ ヨシタカ氏にお話を伺いました。
株式会社grico 株式会社picture top 代表取締役 エザキ ヨシタカ氏
1985年、長崎県生まれ。長崎県立東高等学校、大村美容専門学校卒業後、都内の有名ヘアサロンに入社後、1年半でスタイリストに。その後23歳で独立、フリーの美容師として活躍後、2009年24歳で2009年24歳で原宿に「grico」をオープン。業界を代表する美容師として、数々の業界誌・ファッション誌で、表紙・巻頭・連載企画を担当。また、芸能人やモデル、コレクションのヘアメイク、国内外セミナー講師、スタイリング開発などで活躍。2012年からは、美容師の新しい在り方作りとして、アパレル業や、イベント企画、東大セミナーなど常に新しいアプローチを仕掛け、芸能人、著名人等と共に、美容業界以外でも多くのメディアから注目されている。
著書「夢を叶えるエザキ流方程式」「選ばれる条件」を出版。
早く自立して親孝行したいと思った高校時代
高校は県内トップクラスの進学校でした。
有名大学を目指す環境の中で、母子家庭に育った僕に大学進学の選択肢はなく、「母を早く楽にさせたい、その為には自立したい」と考えていました。
美容師を選択したのは、まず小さい頃から母に「サービス業が向いている」と言われていた事があったと思います。
そしてその頃から母について美容室へ通い、中学2年の時には自分で髪を切っていました。
その後高校1年生の時美容学校へ体験入学へ行き、美容師の仕事が面白く美容師になろう、と思いました。
しかしその事を回りに告げると母を除いて猛反対にあいました。
学校の先生、親戚など、大人たちは「向いていない」「大学へ行くべき」と口を揃えて言いました。
高校を卒業したら有名大学か学費が安く親の負担が少ない地方の国公立大学へ進学することが当たり前、という大人たちの価値観に当てはめようとされていました。
猛反対を振り切り日本一の美容師を目指す
しかし、僕は猛反対を振り切って美容師の道へ進みました。
そして日本一の美容師になる!と決意しました。
反対した大人達を見返したいという思いと、そんな中でも応援してくれた母を楽にしてあげたい、そして何よりも当時、美容師の給料は安く、日本一にならないと生きていけないだろうと考えていました。
美容専門学校時代は美容師として同級生に負ける気が全くしませんでした(笑)コンテストなどでも結果を出し、東京の有名サロンへ就職しました。
理想と現実のはざまで葛藤しうまくいかないこともありましたが、とにかく必死に練習して人より努力して1年半でスタイリストデビューしました。
その後、23歳でフリーへ転身し人気美容師として月収320万円を上げることが出来ました。そして24歳で現在のgricoを原宿にオープンし会社を設立しました。
自分の心=感謝から生まれた行動が成功へ導く
もし、僕が先生方の言う通り大学を出て、どこかに就職していたら23歳で320万円は稼ぐことができなかったでしょう。
そして24歳で経営者になる事も不可能だったと思います。
なぜそのような事が出来たのだと思いますか?
それは、「美容師になりたい!親を楽にしてあげたい!」と自分の心から生まれた行動だったからです。
自分の心から生まれた行動でないと上手くいきません。
自分の心、有り難いと思う結果の行動だから上手く行くのです。
親に感謝して、回りの人に感謝して、早く恩返ししたいと思うから行動指針ができて、それを実現する為に努力を諦めずにやってきたからに他なりません。
嫌な事、辛い事もたくさんありましたが、あきらめずにやり続けて来れたのは人に感謝をし続けてこれたからです。
今の時代はSNSで簡単に真似ができてしまいますが、人の真似ではなく、自分の心から生まれた行動をとって下さい。
わからない事に向き合い、立ち向かいやり続ける姿勢
皆さんは大人になって「成功したい」「有名になりたい」と思いますか?
大人になって成功し続けていたり人に夢を与え続けている人はずっと勉強している人です。
勉強していない人は魅力がありません。
だからそう思うのであれば中学高校時代からしっかり勉強して下さい。
よく、学校の教科は勉強しても将来役に立たないんじゃないか、という子がいると思いますが、役に立つんです!
数学でも何でも「わからない事に向き合う事」に意義があります。
わからない事に立ち向かえる姿勢になっていけるんです。
社会に出るとわからない事の連続です。
美容師もそうです。
カット技術だけ見ても、上手く出来ない事の連続です。
わからない事、上手くいかない事から逃げて努力もせずに結果を出そうとするのは無理な事です。
当たり前にやり続けるのが職業で何の為にするのか本質が大切
そして当たり前の事をやり続けて下さい。
それが職業になります。
例えば、僕たちの職業である美容師は何をする人ですか?と聞かれたら、まずカットやパーマやカラーをやる人と答えるでしょう。
しかし、「何の為にそれをやるのか」という本質が大切です。
なぜカットやカラーやパーマをやるのでしょうか。
「お客様を幸せにする為、笑顔にする為」それが大前提です。
その事がたくさんできる人は魅力が出ます。
魅力が出た時にたくさんの人からもっともっと必要とされるようになります。
そして仕事の幅が広がり講師の依頼が来たり、メディアに取り上げられたりして有名になっていくだけです。
僕の場合でもやっている事はずっと変わりません。
お客様やスタッフを初め、回りで支えて下さっているその人ひとりに向き合って、いかにその人を幸せにできるか、ただそれだけです。
お金を稼ごうとするのでは無くて目の前の人を家族と思い幸せにする
僕の会社ではお客様もスタッフも家族と言っています。
それはなぜかというと、皆さんもお母さんやお父さんや兄弟姉妹の事を「幸せにしたい、幸せになって欲しい」と思いますよね?
これは他人でも同じ事で「幸せにしたい」という気持ちが強ければその人と家族になれるのです。
稼ぐことだけを目的にしたら簡単です。ずるい事をすればいい(笑)しかしそれでは幸せになれないでしょう。
目の前の人を幸せにして、職業としての務めを果たせば結果的にお金という形で返ってくるという事なのです。
「お金を稼ごうとするのではなく、目の前の人を幸せにしよう」と考える事が重要なのです。
そして年をとってもその人と関わり続けるのが美容師。僕たちのgricoでは4世代のお客様にご来店頂いています。
目の前の人を幸せにするという当たり前の事をやり続けた結果、年月が経ちお客様の人生に寄り添い、自らも成長できる仕事、それが美容師です。
未来に向かって新しい価値を創造し可能性に満ちた美容業界
2019年夏に僕たちのgricoは10周年を迎えました。
関わって下さった多くの皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。
この10年で美容業界の雇用環境は大いに改善され会社として正社員雇用が当たり前の時代になりました。
gricoでも20代で30万円以上の収入を得る事は可能で、スタッフが安心して将来設計できるよう、結婚祝い30万円、出産祝い20万円、育児手当3万円支給しています。
また福祉の視点から、手足がなくなったり、体が不自由になった時の洋服を作ったり、高齢になった時の働き方を考えています。
そして商品開発や海外での活動、大学での講演やイベントでの企画など業界外でも活躍させて頂いています。
未来に向かって新しい価値観を創造すれば美容師という職業、美容業界は可能性に満ちています。
人は生まれた時は皆一緒です。何が違うかというと人から得た学びだけです。まだ若い皆さん、これから多くの出会いがあると思います。人から得た学びで自分の人生を切り開いて下さい。そして夢を大きく持って下さい。大きく持たないと聞いた時に誰もその人に魅力を感じません。そしてその夢に寄り添って応援して実現に導いてくれる周りの人たちへの感謝を忘れないで下さい。
●株式会社grico
●株式会社picture top
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-14-12
モード・エス 2F・3F
TEL.03-6427-9062
http://grico-h.com