特別企画 クリエイティブと美容師 有限会社アッシュ 代表取締役 大林 博之氏
インスタ映えがもはや当たり前の時代となり、撮影・ヘアショーなどのクリエイティブ活動に注目の集まる時代になりました。
「ナリタイ美容師になろう!」ではクリエイティブ活動に熱心に取り組む美容師たちのインタビューと作品を紹介します。
有限会社アッシュ 代表取締役 大林 博之氏
1978年東京南青山の美容室入社。1984年コンテスト史上最高賞金100万円のコンテストで優勝以来、世界に舞台を広げ権威ある賞を数々受賞。
メディアの注目する美容師となる。名古屋市内に上質なサロンを4店舗経営。
自らもサロンワークを努める。美容師歴41年。著書に「アップスタイル1・2・3」(髪書房出版)他。
美容師になった理由
僕は美術が好きで得意な生徒でした。
中学時代から美術の先生に「おまえは将来美術の道に進んだらいいぞ」と言われていて、美術に関係する進路を選択したらどうだろうか、と考えるようになりました。
画家、デザイン、建築、ファッション、美容関係、・・宝石のデザイナーもいいんじゃない?仏壇職人、友禅染の職人なんていう職業もある。
紙に「美術」に関係すると思われた様々な職業を書き出しては、丸を付け消していきました。
そうして、最後残ったのが「美容師」でした。僕にとって美容師は、美を創造するという観点から美術のカテゴリーのひとつでした。そして僕は美容師を目指す事になったのです。
なったからには一生の仕事にする
当時、ご縁があった名古屋で有名な美容師の先生に紹介して頂き、東京南青山の美容室に就職が決まり、美容師免許は山野美容専門学校の通信科で取得する事にしました。
あれから41年、僕は美容師を続けています。
男子一生の業、という言葉がありますが、職業というのはやり続けた結果だと思います。
どんな仕事でもやり続ければその人の立派な職業になるのではないでしょうか。
23歳で、史上最高賞金のコンテストで優勝!舞台は世界へ!
僕は多忙なサロンワークの傍らコンテストにも積極的に参加し、クリエイティブと言われる分野でも夢中になって行きました。
1984年23歳の時にはカットコンテスト、セットコンテストで全国グランプリを受賞し、コンテスト史上最高賞金100万円を獲得しました。
そして、1985年にはICD世界大会モナコに師匠と参加、カロリーヌ、ステファニー皇妃の前でヘアショーを行うなど、世界の舞台を経験して行きました。
以後、世界の舞台で活躍を続ける
27歳で名古屋に戻り独立しASCHを設立しました。3人のスタートです。
その頃は店を大きくしようという野心もなく「誰よりもいい仕事をしてお客様がたくさん来て下さるといいな」という思いでした。
東京での経験や実績がありましたので、「いいヘアデザイン、洋服とのバランス、それを作る事」なら誰にも負けない!という自信はあり、貪欲に勉強し仕事に没頭しました。
僕は頂いた海外の仕事に全力を尽くし、確実に成果に繋げて行きました。
そして、念願のパリでの世界大会のステージにあがり、それが上手く行くと、もっとスポットの当たる仕事の依頼がきて、気が付くと2002年には世界の12人の美容家に選出され、2007年には世界で3人に選出され、2009年には世界一に選出されドイツでワンマンショーを開催するまでになりました。
以降も毎年のように世界の舞台で活躍する機会をご提供頂いています。
なぜクリエイティブをやるのか
僕にとってクリエイティブは生きてきた証。「人間の証」です。
ヘアショーは1回で消えてしまいます。
しかし、必ず誰かの心に残るでしょう。また作品は記録として残ります。そして、それらは全ての美容師の仕事に通じています。
ヘアショーや作品作りの際にサロンワークでは大げさに見えるスタイルも丁度よく十分生かすことが可能です。
また、冒頭、美術が好きだったお話しをしましたが、強く印象に残り僕の美容師人生に影響した言葉に「美は美しいものだけでなく、醜いものを角度を変えて見てみると美しいものに変化するる」という言葉があります。
それは現代美術に通じていると思いますが、ヘアスタイルもそう。壊したり、ツヤのない髪だったり・・。これもクリエイティブのひとつだと思います。
美容学生の皆さんへ
皆さんは夢をもって頑張っていると思います。
目先だけではく、もっと先の夢も持って欲しい。そして美容師を長く続けて欲しいです。長く続けることで記録を更新することができるのです。
途中で途切れない人生を是非送りましょう。
美容やファッションの分野で世界を動かしている方々は70代以上の方々も多くいます。
僕も60歳手前ですが、若い頃よりも上手くできるようになった事もたくさんあります。
まだまだ現役の美容師として記録を更新していきたいと思います。
ASCH名駅店勤務
店長/トップスタイリスト
鈴木 道生氏
中日美容専門学校卒 2003年4月入社
創意工夫がクリエイティブの第一歩
僕はもの作りが好きで美容師になったので「作る」という意味ではクリエイティブはとても興味がありました。
クリエイティブの原動力は発想する力、何かを生み出そうとする力です。
そして自分で培って来た情報を自分なりに創意工夫してお客様にお届けする作業がクリエイティブだと思います。
そういう意味で僕は経験を積み重ねた16年目の今、美容の仕事が最高に楽しいです。
今の時代、物や情報が満ち溢れています。わからない事があればすぐに検索できるし、簡単に真似する事もできます。
しかし、スマホから手を離し発想しましょう。創意工夫しましょう。そこがクリエイティブの第一歩です。
ERA NOVUM【エラノーム】
~クリエイティブで育てるアシスタントだけのヘアショー~
ASCHではアシスタントだけで手掛けるヘアショー「エラノーム」に参加しています。
クリエイティブを通して美容師力を伸ばす事、若手が活躍する姿を美容学生、高校生に披露する事により美容師になりたい若者を増やす事を目的としています。
(2020年開催日程については未定)
有限会社アッシュ
本店/〒466-0842
愛知県名古屋市昭和区檀渓通3-7
ASCH 檀渓通店
TEL:052-842-1172
http://asch.jp
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